非浸潤癌について
ご投稿有難うございます。
1.乳房の変形はあります。3×8cmも部分切除して変形がないと言える理由が解りません。
2.このご質問が、今回の最大の問題です。もし今回非浸潤癌ならば、以前の診断に誤診があることになります。3年前に癌を疑っているのも関わらずに、適切な検査がされていないことです。普通、余程大きな物でない限り、穿刺細胞診や針生検だけでは診断には至らないのです。また、そこまで非浸潤癌を疑うならば、徹底的に検査をやる必要がございます。(超早期で見つかった可能性があるのに、はっきり言ってもったいないと思います。)3年前に微量の石灰化がある訳ですので、ターゲットがある訳です。この石灰化をステレオガイド下マンモトーム生検を行えば、全て結論がついた訳です。当然、3年前でしたらこの検査はある程度の施設に行かれればありました。今の施設にないならば紹介するべきだったと考えます。また、その検査がないならば、MRM(MRIで乳腺を撮影すること)を行えば少し情報が得れたのではないでしょうか。乳管内乳頭腫と診断した理由も知りたいと考えます。どうしてそれが今更乳癌になるのでしょう。尚、その後の経過を追うことにも問題があります。この石灰化の変化を見なければ、経過観察にはなりません。つまり、超音波での石灰化観察はこのケースでは不可能になります。半年毎のマンモグラフィは必須と言うことになります。診断が遅れたと言うのが素直な意見です。
3.多分大丈夫だと思いますが、サイズからすれば可能性は否定出来ません。
このケースでは、裏に事情がない限り手術を急ぐ意味が解りません。現状でも遅くはないので、診断を付けてから手術を行うべきです。最低、マンモトーム生検は行い、癌と診断されるならば、MRMで範囲を確認して手術に望むべきです。また、良性ならば、ご本人が望まれるならば手術するのも一つの手段です。この診断が付く事により摘出する範囲も変わるし、術式すら変わるので、出来る限りの検査をするべきではないでしょうか。
最近、当院にご相談に来られた方でnoko様と少し似たケースで、多摩地区にある乳腺科も掲げる外科クリニックで針生検も行わずに、穿刺細胞診だけ行い、良性だけど目的の細胞が取れていないかも知れないので手術をすると言われ、来院された方がいらっしゃいます。しかも本人には転移の可能性を調べる為に行うとのことで乳腺が殆ど診断出来ないCTを撮影し(悪性も解らないのに、転移を検査する意味がありません。)局所麻酔で摘出するのに、血液型や凝固系の採血までされた方でした。だれが見ても無駄な検査ばかりで、それならば針生検を行うべきで、それが的確に行えないならば、マンモトーム生検の出来る施設に紹介するべきです。この患者様はその施設の看護師の方にマンモトームのことを内緒で教えて頂き、当院をご自分で調べてご来院頂きました。この患者様の言葉はその地域では有名なので「知識がない者には医師の意見が全てだと。」おっしゃっていました。まだ危険な手術を行っているクリニックは都内で他にもございます。しかも、その施設は以前はそれなりの名声をお持ちの医師です。そのホームページや本をご覧になれば、その医師の意見は殆どの患者様が信じると考えます。
しかし、良心的な医院もございます。大きな病院に行かれてもマンモトーム生検は必要ないと言われると思うが、私は必要だと思うから、その医院にはないので探して行くようにと言われ、ご来院になった患者様もいらっしゃいます。疑ったら、安易なことをするのではなく、徹底的に検査をするのが我々乳腺専門とする者の使命ではないのでしょうか。我々も100%ではございませんが、患者様の不利益にならないように出来る限りのことは行うように常日ごろから気を付けています。
病院名や医師の経歴に捉われることなく、ご自身の目や感じ方で医療機関を選ぶことが大切だと思います。決して有名な大病院でも信じるべきではないのです。
以上長くなりましたが、お返事とさせて頂きます。
早速ご回答いただき、ありがとうございました。
検査方法ですが、今回の再検査でもモンモトーム生検をしないのは、マンモグラフィで石灰化の場所が特定できるから針生検で大丈夫だと言われました。来週MRM検査をするそうです。(3年前にMRMも受けておりました。)3年前も病理で癌と判断できず、乳管内乳頭腫と判断したとのことですが、今回も診断がつくのか心配です。私としては、取ってしまいたいと思いますが、乳房の変形が本当に心配です。今週末今後の方針を伺いに行くので、もっとしっかり質問しようと思います。
またご相談させてください。よろしくお願いいたします。
マンモトーム生検は、石灰化があるから行うのであって、針生検より確実な生検方法です。多分、今お罹りの担当医はこの辺を理解されていないのでしょう。MRM撮影も有効な検査ですが、実際診断に有効な方は少ないと感じます。せっかくターゲットとなる石灰化があるのにマンモトーム生検を行わないのは、もったいないと言うのが一言です。
また、切除は安易に行うことはお勧め致しません。診断を付けて行うには有意義なことですが、診断があらゆる検査をしても付かない以外は、診断が付いていない上での手術はコッケイな行為です。
一度医療機関を変えて、違った施設にご相談に行くこともセカンド・オピニオンとして大切だと思います。よく考えて行動なさって下さい。
はじめまして。ご相談があります。
3年前、左胸にしこりを見つけ、また乳頭から分泌(黄色)もあり、検査をしました。
分泌液を検査したところクラス1で良性でしたが、マンモグラフィー検査の結果、微量の石灰化が見られ非浸潤癌の可能性が高いとのことで、以下の検査を受けました。
穿刺細胞診,乳管造影,針生検
結果は、クラスⅢaで乳管内乳頭腫という診断でした。以後、3ヶ月毎、1年前からは半年毎経過を観察し異常はありませんでしたが、今回の定期検診で2年ぶりにマンモグラフィー検査を受けたところ、「変化がありました。悪い癌ではありませんが、非浸潤癌の可能性があります」と言われました。マンモグラフィーで診たところ、石灰化が増えているとのことです。再検査で針生検を行いましたが、検査結果でたとえ癌という診断がつかなくても手術をしましょうと言われました。手術は瘤腫(1.7cm)のある乳管部分とその周辺の石灰化部分を切除するのみで乳房の変形はなく、入院も1日で済むとのことですが、いくつか心配なことがありす。
1.手術による乳房の変形は本当にないのか。(脂肪を うまく動かす?とのこと。どのくらい取るのかお聞 きしたら、手で3cm×8cmくらいの形を作って「この くらいです」と言われました)
2.3年以上そのままにしておいた結果、石灰化が増えた が、早めに処置をしなくて良かったのか。(エコー では変化がなかった、若いのでマンモグラフィーは2 年に1度で良いと考えていたとのこと。処置が遅れた と考えなくて大丈夫だと言われました)
3.浸潤癌の可能性はあるのか。
先生のご意見をお聞かせください。
お忙しいと思いますが、よろしくお願いいたします。