マンモトーム生検のあと
ご投稿有難うございます。
エコーガイド下マンモトーム生検は外科生検と同等の検査です。つまり、外科生検を行う必要性がない検査です。
まず、病理組織診断は癌ではないと言うのではなく、何と言う診断名かとお聞きになる必要があります。実は、診断が付いていないのではないかと考えます。もし診断が付くならば、その病名に置いてはそのしこりを検査の為に摘出するのではなく、治療の為の手術が必要になります。
今回考えられる事を上げます。
1.エコーガイド下マンモトーム生検で目的のしこりの組織を十分に採取出来なかった。
(問題点)術者の技術的な問題があります。また、8㎜程度の病変ならば、マンモトーム生検の場合は通常全て取りきれるので、残存病変が多く残るのは疑問を感じます。つまり、通常は外科生検を行うだけの病変がありません。先週来院された方で他院でエコーガイド下マンモトーム生検を行われた方が然程お日にちが経過しない時期に来院されましたが、病変はそのまま残っておりました。その病理組織診断は全くの良性以外ありません。つまり、検査で病変が採取出来ていないにも関わらず、良性と診断されていました。
2.病変は採取出来たが、病理組織診断が付かない。
(問題点)乳腺病理診断を正確に行える病理医がいない。殆どの大学病院ではこれが現実です。大学病院で正しい病理診断を出来る病理医が存在する施設は殆どないとお考え下さい。この点については過去レスに多数ございますので御参考になさって下さい。
3.MRI検査は微小病変の良悪性の判断は出来る検査えはありません。病変があるかないかを判断する検査です。つまり、エコーで既に存在を認められているので、結果はしこりがあるが何かは解らない程度です。
今後の対策は、マンモトームで採取した標本の正しい病理組織診断を付ける事が大切です。この病変が乳癌の可能性も捨て切れないと言う事もあります。
お休みの日に、大変迅速で解りやすいご返答ありがとうございました。毎日不安でいっぱいでしたが、頭の中を整理することができました。ほんとうに先生のおかげです。 実は、先生のお返事を読んで自分でも気になっていることと、重なることがあります。病変がきちんと生検されていないのではないか ということです。なぜなら、自分が病変と思ってるしこりを今でも触るとわかるからです。これだけでは、何とも自分で判断できないので富永先生に診ていただきたいと思っています。お忙しいところすみません。
ご丁寧なお返事有難うございます。
当院ご来院の際はお手数ですがお電話(0120-150-929)でご予約の上お越し下さい。
44歳の主婦です。16年前、出産後ひどい乳腺炎になり、乳輪に沿って上部半分切って化膿したものを取る手術をしています。 昨年自分で小さなしこりを見つけ個人病院で検査をしました。
マンモグラフィー:所見なし
超音波:しこりはあるがなんとも言えない 細胞診:クラス3
でした。
大学病院を紹介していただきまた検査をしました。 マンモグラフィー:所見なし
超音波:8ミリぐらいのしこり。グレーです。何とも言えない
ということでマンモトーム生検をしました。その結果は、「がんではありません」ということでしたが、「マンモトームで採ったところはがんでないが、残っているとこらは、わからないのでしこりを全部採りましょう。外来で1センチぐらいとって縫えばいい」「外科的生検なのですか」と尋ねると「そうです」と先生はおっしゃいました。私はマンモトームをしたのに良性のしこりを採る事はどういう事なのか納得いかず、「以前も手術しているのでなるべく切りたくない、別の方法はありませんか」と質問したところ「MRIを撮って経過観察しましょう」とおしゃいました。今はMRIの予約が3月にはいってます。
マンモトームをしてがんでない、という診断がでたのにしこりを切りとることもあるのでしょうか?またMRIを撮ることで何が明らかになるのでしょうか?がんではないと言われたのに何かすっきりしません。富永先生よろしくお願いします。