浸潤癌の治療法
ご投稿有難うございます。
今回の結果は、単純に乳がんと診断されただけではなく、細胞診を信頼した為誤診となった残念な結果です。基本的に良性病変が悪性化する頻度は非常に低い事と、もし変化したならばこの8か月と言う短期間で10㎜の浸潤がんには変化しない事が根拠です。10㎜の浸潤癌が出来るには約8年〜10年は通常掛ります。この原因は、細胞診の判定ミスではなく、細胞診の針が病変に適格に刺さっていない為、本来採取しなければいけない病変の細胞を採取出来ていない医師の技術的ミスが原因だとほぼ断定出来ます。8か月前にも癌は明らかな為に、細胞診で十分悪性を疑う判定は出来たと考えます。組織診を行わなかった事が原因ではないので、その点で後悔される必要はございません。一番の間違いは受診した医療機関の選択ミスだと思います。同じ乳腺外科の医師として申し訳なく思います。但し、まだ8か月しか経過していないので、8か月前の治療開始とは生存率にはほぼ変わりませんので、その点はご心配の必要はございません。
このような誤診は、レアなケースではなく、日常茶飯事です。最近は、乳腺クリニックで乳がんを強く疑い、癌拠点病院となる専門病院に紹介され、その大学病院等で針の検査で良性とされ、誤診されるケースが目立ちます。クリニックで誤診されるならば、患者様も納得されるかも知れませんが、癌拠点病院での誤診は摩訶不思議としか言えません。クリニックは殆ど1人の医師が意外と苦労して診療を行っており、その結果は努力その物ですが水の泡になるのです。ある関西の病院では検査結果の時に10%程度は誤診があるので、経過観察を行いますと言われているそうです。この話を聞いた時に、よく患者様がこの発言に納得出来るものだと首をかしげました。
ご指摘の治療方法は、標準治療ではございません。これは、全て5年以上前から行われている方法でもあるにも関わらず、有効な治療成績が得られていない為に、安全な治療方法ではないと言う意味で、標準治療とならないのです。つまり、治癒出来る乳がんが治癒できなくなる可能性を十分秘めた方法で、メリットよりも致命的なデメリットがあると言う意味です。例えば、ラジオ波熱凝固療法はなどの低侵襲療法も、日本乳癌学会は、現在残念ながら、トラブル情報を耳にすることが少なくない状況になっています。日本乳癌学会は本年6月23日に『標準的治療以外の治療は臨床試験として実施されるべきである。乳癌低侵襲治療は早期乳癌の標準治療とはいえないことから、その実施にあたっては「臨床研究に関する倫理指針」(厚生労働省告示第415号,2008年)を遵守すべきである。』としています。これは、各医療機関が個々に治療を行う事や患者様自身がこの治療をお受けになることに対する警告を行っているのです。
貴女は、診断で一度失敗をご経験なさっているので、他の患者様よりは注意を払われると思いますが、意外と同じ失敗を繰り返す方が多い傾向が当院では見られます。是非、乳がんと診断されたら、冷静に焦らず、標準的治療をお受けになられる事をお勧め致します。また、情報はネットや名刺本などを参考になさるのではなく、日本乳癌学会が発行した『患者さんのための乳がん診療ガイドライン』(金原出版)をご参考になさって下さい。
30代に入り、1年から1年半ごとにマンモ、エコーのセットで検査を受診していたにもかかわらず、・・・。発見は10ミリ浸潤癌になる前にできてたはずですよね。しかも要精密検査の判定は3年前にもありましたが、精密検査に行くと、画像をみてこれは大丈夫、とその後の検査も何も無しでした。
8ヶ月前の細胞診で、まさかの的はずれとは。お二人の先生共にもう病院を変わられています。・・・悔やまれます。
それから、より負担の少ないもの、審美的にいいもの、と情報を集めたくなりますが、標準治療の確実性の方が妥当だと考えなおしました。ありがとうございました。
お忙しい中にご丁寧にありがとうございました。
御丁寧なお返事有難うございます。
検診も精密検査も受ければ良いのではなく、選んで受ける事が重要です。
昨日は標準治療で手術をと思っていたのですが、わるあがきのようですが、fus(MRガイド下集束超音波手術)はいかがでしょう。何しろ切らずにすむというのが魅力です。
よろしくお願いします。
FUSも、低侵襲療法の一つです。全て同じです。
40代です。針生検の結果10ミリの浸潤がん(1期)という診断でした。8ヶ月前の細胞診では良性と言われていましたが、悪性に変化したのでしょうか。細胞診の限界だったのでしょうか。組織検査をすべきだったのでは、と後悔しています。
温存手術と術後の治療を勧められました。インターネットで調べると、内視鏡手術、切らない手術(ラジオ波療法)、免疫療法などありますが、これらが標準治療となっていないということは、デメリットも大きいのでしょうか。診断が出ると、やはりショックです。よろしくお願いします。