マンモグラフィー検査について
ご投稿有難うございます。
放射線被曝の影響には、確定的影響と確率的影響があります。確定的影響は、被曝を受けた細胞が損傷され、その損傷の度合いが自己修復機能を超えたときに、放射線障害(皮膚、粘膜、骨髄などに)として症状が現れるもので、自己修復機能で対応できる範囲の被曝であれば症状が現れず、ある程度の閾値が存在します。それに対して、確率的影響は、被曝により遺伝子が突然変異した結果、癌や白血病を発生させるもので、明確な閾値はなく線量に比例して確率が上昇すると考えられています。これにより、マンモグラフィの放射線被曝は他の検査に比して非常に微量となり、問題となりません。
マンモグラフィによる生涯の致命的発癌リスクは0.0009%と算出されます。また、被曝によるリスクは年齢とは無関係ですので、若いからリスクが上がるものではありません。マンモグラフィ検診の利益と被曝リスクを分析した日本の研究は17回日本乳癌検診学会で発表され、どの年齢でも利益が被曝のリスクを上回っているとされています。
海外でも被曝による発癌リスクの上昇は確認されていません。また、現時点での体の一部に低線量の放射線被曝を受けるマンモグラフィの致命的発癌リスクは、ないか、あっても極めて小さいとされています。
例えば、現在東京では都民全てが原発事故によりほぼ1か月に1回マンモグラフィを撮影したと同等の被曝を受けています。これでも無視できると政府は見解をしています。この事を気にして生活されている方がどれだけいるのでしょうか?この事の方がずっと問題かと思います。
尚、マンモグラフィも検診マンモグラフィと診断マンモグラフィがあり、貴女はまだ検診マンモグラフィのみを施行しただけです。これで異常を指摘されると診断マンモグラフィを必要となれます。
確実な診断を得ない方が、乳がんにより本当に死に至る事だけはお忘れなく。病気は最初に逆戻り出来ないです。
先生、ありがとうございます。
放射線の被曝に関してのご説明はよくわかりました。放射線が危険だということに目を向けすぎると、大事なことを見落とす可能性もあるということですね。
自己修復機能の力というのは、免疫力とも比例するか分かりませんが、やはり少しでも病弱な場合は修復力が弱いということなのでしょうか。それとも、例えばすでに大病を患っているなど特別な場合にのみ修復力を疑って用心するようなまれなレベルでの話なのでしょうか。(私はアレルギーや扁桃腺肥大などあり、風邪もひきやすく、どちらかというと病弱な方なので気になりました。)
また、検診的マンモグラフィーと診断的マンモグラフィーの違いは何でしょうか。その二つを1カ月を待たずに短期間で行っても、先生のご説明からは問題ないと受け取っても良いということですよね。
何度も申し訳ありません。よろしくお願い致します。
ご丁寧なお返事有難うございます。
放射線は微量の場合は、体に影響がないのと同じと言う事です。マンモグラフィの平均乳腺線量を一方向撮影で平均1mGy、最大3mGyとすると、ある個人が30歳から40年間毎年二方向撮影のマンモグラフィ検診を受診し、最大値6mGyの被曝を受けた場合でも平均余命の短縮は1.8日です。このリスクは受診する利益に比べれば無視できるくらい小さいです。 例えば、微量の細菌を摂取しても、自己修復で症状が出ないのと同じです。尚、掲示板規約に従い乳腺以外のご質問はお答え致しません。
検診マンモグラフィで異常を指摘され、精密検査の為病院外来を受診、あるいは自ら乳房に何らかの訴えを持って外来受診し、撮影されるマンモグラフィを言います。マンモグラフィ撮影は精密検査のために行われるため、通常二方向に加えて、病変部と思われる部分のスポット撮影、拡大スポット撮影等の、追加撮影が加わります。検診マンモグラフィと比較して、はるかに異常所見を認める頻度が高いです。診断マンモグラフィにも検診マンモグラフィ同様の精度管理が求められます。
先程のご質問のお返事も今回も全てコラムに記載済みです。『いつもこちらで勉強させて頂いております。』と前置きがあるならば、これをお読み頂きご不明な点のご質問をなさって下さい。病気の場合、正しい知識は命を守ります。無知は無駄に死に至る事もあります。その事をお知り頂き、当院にご来院頂くために運営しております。当院にご来院頂いても、御説明の内容が意味不明では患者様もこちらも困ります。つまり、知識があれば結果に動じる必要がなくなります。当院はよくある不安解消のメンタル乳腺外科クリニックではなく、正確な結果を求める方が受診する本気のクリニックという事をご理解して頂くためのクリニックとご理解下さい。患者様だけではなく、専門病院よりも信頼を得て精密検査を依頼されるクリニックです。
貴女もカテゴリー3の石灰化という事は良悪性が半々と言う段階です。放射線被曝のご心配よりこの石灰化が悪性によるものかというご心配の方が私は重要かと思います。カテゴリー3だから大丈夫とは思わないで下さい。本当にカテゴリー3の石灰化ならばステレオガイド下マンモトーム生検を行い良悪性を病理組織診断する適応となる所見です。
先生、ありがとうございます。
コラム…たくさん読みました。ですが、毎日PCに向かう時間も無く、読み落としたりしたものも多かったのかもしれません。まだまだ勉強が足りないということがよく分かりました。
今は情報があふれていて、頭が混乱することもたくさんあります。
マンモ検査も、乳房を圧迫した刺激で悪性細胞が飛散するなどと書いてある本もありました。乳製品を良しとするものもあれば、悪しとするものもあります。乳がんと診断される人の中には、「過剰診断」が含まれ、本当は自然治癒(退縮)する人まで辛い治療を強いられている…そんな内容の本もあります。
いかに正しい情報を選択し、自分の命を守るかが大事なのですね。
またひとつ勉強になりました。ありがとうございました。
御丁寧なお返事有難うございます。
いつもこちらで勉強させて頂いております。
ありがとうございます。
マンモグラフィー検査について教えてください。
年に1度、エコー検査と共に受けることが大切だということは知っていますが、本やネット上ではいろんな情報があり、マンモグラフィーによる放射線量を考慮して2年に1回で良いと書いてあるものもありますし、極端なものになると、放射線量が乳がん発症の原因になるので検査そのものを否定しています。
私は先日検診でマンモグラフィー検査を受けたばかりですが、カテゴリー3の石灰化を指摘され、近く紹介状を持って総合病院を受診する予定です。
レントゲン写真を借りて持って行こうと思っていたので問い合わせてみたのですが、総合病院でもう一度マンモグラフィー検査を受けるように言われました。
一部放射線の危険性を強く訴えている本などがあるので、こんなに短期間に2回も検査を受けても良いものかと不安です。
先生のご意見をお聞かせいただければと投稿させていただきました。よろしくお願いいたします。