乳腺症と診断された後の検査について
ご投稿ありがとうございます。
同じ病変に何度も組織検査をすることは通常ありません。この病変には1回エコーガイド下マンモトーム生検をして、乳腺症と診断されているので、何度やっても同じ結果になるのが常識で完全に無駄な過剰検査と考えます。医療過誤とも言えるこんな異常な診療がまかり通るのですね。
また、乳腺症は一部にできるものではなく、乳腺全体の変化を意味して、ここを切除しても乳癌が発生のリスクを下げることはありません。また、乳腺症が癌化することもありません。乳癌は別病変として出やすいだけです。年1回の画像診断で新たな病変を見られた時に検査を行えば良いだけで、現状は乳腺症は病気ではないので正常と同じと言うことになります。通常は2〜3年程経過観察をして、変化なければ診療は中止して、乳癌検診に戻って頂きます。
自己触診には何のエビデンスもないので止めましょう。しなければ悩むこともなくなります。
富永先生、早々にご回答いただき、ありがとうございました。
私は1度目を除いて、2度も無駄な検査を痛い思いをしてしていたのですね…。残念です。
今年から診察して下さる医師が変わり、今回の話が出たので、まだ信頼関係が十分できていない中で勧められる検査に不安を感じて、富永先生にご相談させて頂きました。
今回特に強調して言われたのが、「乳腺症があると、その中に隠れて乳がんが発生した場合に、正常乳腺に発生する乳がんよりも早期発見が難しい」ということでした。その後、4度目の針生検や切除生検の話が出たので、検査を受けていれば早期発見や乳がん予防につながるのかと思いこんで悩んでおりました。
今後、この乳腺症の病変について新たな検査は、その必要がないので、しないことに決めました。
もちろん、これからも必ず1年に一度検診を受けて経過観察はしていこうと思っています。
ただ、いつも不安に感じるのは、乳腺症があるために早期発見が難しいと言われますが、年に一度しっかり検診を受けていても、乳腺症のしこりの中に運悪く乳がんが発生した場合、相当進行しないと発見できないことを覚悟しておかなくてはならないのかということです。
以前、「黒い影の中に、黒いものが発生しても、分からないでしょ?」と言われたことがあります。乳腺症の病変が2㎝ならば2㎝を超えるほどの大きさにならないと発見できないのだとしたら、恐ろしいことだと思うのです。
私の場合、今回の良性病変以外にもいくつか、5ミリ以下の小さなのう胞が左右ともにありますし、検診を怠らず自分の命を自分で守っていくしか為す術はないのですが、心の信頼関係だけでなく、技術的に信頼できる乳腺専門医と出会うこともとても大切なことなのだと、今回痛感いたしました。こちらを拝見するたびに、貴院で検診を受けたいと思いつつ、距離や家庭の事情で断念し、数年が過ぎております…。
自己触診については、やめても問題ないほど、エビデンスがないものなのですね。
よく乳がんを発見したきっかけとして「自分でしこりを見つけて…」という話を聞くので、やめるにやめられず、毎月一度はしておりましたが、意味のない悩みを持たないためにも、思い切ってやめようと思います。では、自己触診もですが、「うつ伏せになって何か硬いものが触れる感覚」というのも、同じくエビデンスはないと考えてもいいのでしょうか。
すみません、また不安と質問と、書き連ねてしまいました。お忙しいところ恐縮ですが、富永先生のお考えをお聞かせいただけるとありがたいです。
ご丁寧なお返事ありがとうございます。
乳腺が硬いのは乳腺症だから普通と考えるのです。自分でしこりを見つけたと言うのは、検診を受けていない人や毎年正しい検診を受けていない人のことで、そちらの方が問題だと言うことです。
富永先生、ありがとうございます。
無駄な心配や無駄な検査がどういうことかよく分かりました。やはり先生に相談させて頂いて良かったです。
これからも、こちらで勉強させてください。
ありがとうございました。
ご丁寧なお返事ありがとうございます。
時々こちらを拝見させて頂いています。
41歳で、子どもが2人おります。
33歳の時に左乳房にしこりと痛みを感じ、総合病院の乳腺外科で検査をしたところ、約2㎝の範囲で乳菅が拡張しているものがぶとうの房のように集合している病変があるとのことで、エコーガイド下マンモトーム生検を受けました。結果は良性で線維化している部分があるということでした。「乳腺症」という診断でした。
その後、この7年間は妊娠・出産・授乳期を除いて、毎年、同総合病院でマンモグラフィとエコー検査による経過観察してもらっています。途中、断乳直後で乳腺の形が変わっている時期(4年前)と、昨年4月に、念のためと同じ病変にマンモトーム生検をしましたが、いずれも良性の乳腺症という診断でした。
今年は5月に同総合病院で検診を受け、同じく変化なしと診断をうけていましたが、先日うつ伏せに寝た時の感覚に左右差を感じて(左乳房にゴロっと何か触れる感覚がしました。)不安になり、同総合病院を受診してきました。まだ前回の検診から約半年なのでエコー検査のみ受けましたが、やはり病変の形や大きさは変化はないと言われました。
またいつものように、このまま様子を見ましょうと言われるのかと思ったのですが、乳腺症がある場合、乳がんの発見が遅れる可能性が高いので、今後、再度の針生検(4度目)や、MRI検査、最終的には切除生検という方法もあると説明されました。
正直とても戸惑っています。
7年間変化がなく、今まで3度も生検し、いずれも良性の乳腺症と診断された病変に、これからそこまで検査する必要があるのでしょうか。
もちろん、この病変が良性でも、今後乳がんがこの病変内に発生する可能性があるのは理解できますが、それを確認するために、数年に一度なり針生検を行うのが一般的なのでしょうか。
正常な乳腺よりも乳腺症の病変の中に乳がんが発生しやすいということはなかったと認識していたのですが…。
この7年間、いつもこの病変の存在が不安で、いっそ切り落としてしまった方が安心なのではないかと、行き過ぎた考えを持つこともしばしばでした。切除生検した方がリスクを下げられるのであればそうしますが、その方法をすぐに選択するのはどうも間違っている気がしてなりません。
今回の左乳房の違和感はうつ伏せに寝た時の姿勢によっては硬いものが触れる感じがするものですが、自己触診の感覚は以前と全く変わりはありません(自己触診がほとんど意味がないことは知っていますが)。乳腺症と言えば、もともと硬くなったりしこりを作るものだと考えると、このような感覚があってもおかしくないのでしょうか。
長くなってしまい申し訳ありません。富永先生のご意見をお聞かせいただければ幸いです。よろしくお願いします。