葉状腫瘍と判明しての再手術の是非について
ご投稿ありがとうございます。
葉状腫瘍は、現状の手術で問題はございません。半年後の経過観察はまた再発や多発を繰り返す可能性があるからです。特に、悪性や境界型は再発、多発のものが多いとされるからです。
葉状腫瘍は癌とは違うので転移はしても浸潤はしません。葉状腫瘍は良性・境界・悪性がある腫瘍です。組織像と生物学的悪性度が一致しない事があります。これは、良性と判断され切除を行なっても、手術後に局所再発を生じたり、再発を繰り返すと悪性化する場合もあります。特徴としては切除後の局所再発です。局所再発頻度は良性21%・境界46%・悪性65%です。
この腫瘍は乳腺腫瘍の0.3〜0.5%と稀です。良性:悪性の比率は1対4ないし5とされ、好発年齢は10〜50歳代の広範囲の年齢に見られます。悪性例は高齢層に多いとされます。この腫瘍は表面は平滑で、硬さは弾性軟〜硬まで多様で線維腺腫と似ています。また、巨大化すると直上の皮膚の発赤、熱感、自発痛を伴います。
特に、良悪性の境界病変と悪性の鑑別が重要です。しかし、組織学的に鑑別困難な場合があります。
治療は腫瘍を含めた完全切除が必要で、周囲の正常乳腺を2〜3㎝含めて切除致します。
予後は、再発がなければ良好ですが、再発と悪性化が生じた場合には高率に肺・骨に転移し、乳癌とは違い抗癌剤や放射線療法は効果がなく、現代医学では治療法がなく、予後不良です。
つまり、今更再手術に何も価値がないというのが結論です。残存していても今更どこにあるか分からないということになります。残存ならまた大きくなるのでその際に手術で問題ないということです。
こんなに早くお返事いただけて感謝します。
先生も、繊維腺腫に比べ、葉状腫瘍は正常乳腺を含めた2〜3cm大き目の切除を奨励されているという理解でよろしいでしょうか?
取り出した腫瘍の病理所見によって再手術になった方はかなりいらっしゃるようですが、その場合は万一再手術になることを予想して、マーキングか何かされているということでしょうか?私の場合まだ手術からそう日もたたず、まだ傷跡も生々しいのですが、それでももう遅いということでしょうか?
繊維腺腫との診断で腫瘍しか摘出してもらっていません。悪性もしくは境界悪性と言われ、再発を恐れています。5年前の繊維腺腫も全く同じ場所でしたし。大きく切除する、もしくは乳房全体の切除も無駄とお考えでしょうか?軽々しく乳房切除と口にしているわけではありません。リハビリも、体に起きる支障も覚悟した上で、意味のない選択でしょうか?しつこくお聞きして申し訳ありません。
ご丁寧なお返事ありがとうございます。
手術方法の一般的な方法を記載しただけです。病理所見で再手術など聞いたことがありません。
周囲を2〜3cm含めて手術しても再発をする方はするので、勘違いのないようにしてください。一般的には線維腺腫と同じ手術とほとんど変わりないです。逆にここで再手術をして何か安心を得られることはないのでメリット自体がないと思います。
悪性葉状腫瘍ですが、癌とは違うので、同じ感覚で見ないで下さい。
はじめまして。5年前に右乳房に大きなしこりができて、大学病院で検査を受けました。パンチ検査ではガン細胞はみられなかったのですが、間違いなく乳がんと言われ、右乳房切除とリンパ郭清手術に臨みましたが、手術中の病理検査で繊維腺腫と判明し、腫瘤のみ摘出で終わりました。その後、主治医の指示通り年一度マンモと超音波を受けましたが、三年目に違う医師にもう来なくてもいいと言われました。今年10月半ばに、ほとんど一晩の間に大きくなったようなシコリを見つけ、その日に検査を受けました。個人病院ですが、院長が乳腺専門医です。繊維腺腫と言われ、11月4日手術。退院一週間後の受診で、葉状腫瘍だったよと言われました。乳癌ほどじゃないけど転移の可能性あるから、半年後にまた来なさいということでしたが、聞き慣れない病名にキョトンとしている私にメモ用紙をくれ、悪性葉状腫瘍とありました。外に出てからネットで調べ、目眩をおぼえました。翌日、もう一度受診しましたが、満足な説明はいただけず、がんセンターへ紹介状を書いてもらいました。がんセンターでは、きちんと話を聞いていただき、今日CTも受けました。私の一番の気がかりである<繊維腺腫の切除手術と悪性葉状腫瘍と診断されてからの手術では切除範囲が違うのでは>という質問に対しては、きちんととってあれば同じだと思うとのことでした。とはいえ、症例が少なく、私が持参した<1~2cmのマージンをとって切除すべき>という論文を一蹴されるようなことはありませんでした。ただ、現在何もない乳房にメスを入れるというのは、マスコミのバッシングを受けたりする可能性もあるそうです。メモで悪性告知するような(そして半年後にまた来なさいというような)医師の手術では、きちんとかどうか不安です。また診断が変われば、再手術というのもごく当たり前に思うのですが。。。。。ちなみに、紹介状の文面では「境界悪性」とあったそうです。医者にはたいした差ではないのかもしれませんが、患者にしてみれば、だいぶ気持ちが違います。プレパラートの再検査を待ってまた受診することになっています。私は今46歳で、子供もなく高次脳機能障害の夫の介護に追われています。たとえ乳房切除であっても、もっとも安全策を講じたいのです。再手術を望む気持ちは間違っていますでしょうか?よろしくアドバイスいただけたらと思います。長文になり、申し訳ありません。