非浸潤がんの術後治療方針について
ご投稿有難うございます。
1.追加切除は、断端に浸潤癌露出の場合、非浸潤癌の場合は複数箇所の露出やher2陽性のcomedo typeなどで考慮します。あと今回は水平方向ではなく、皮膚側なので残っている可能性は極めて低いです。
2.ホルモン療法による局所再発の抑制効果は50%減くらいだと予想されます。放射線治療は67%減くらい。あと、ホルモン療法には対側乳癌の予防効果があります。積極的な予防を考えたい場合はこちらです。ただ乳癌死には差がありませんので、検診で見ていくでも充分です。尚、先日改定になった最新の乳がん診療ガイドライン2013では、DCIS温存後のホルモン療法(タモキシフェン)については推奨グレードC-1で投与を考慮してもよいが、対側予防の効果は不明となってます。
DCISでもnon-comedo typeは一言で言うと、限りなく良性に近い乳癌なので、広範囲なもの以外は無理に手術以外に治療はしないのが最近の考えです。主治医とよくご相談下さい。
早々にご返答頂いたのにも関わらずお礼を申し上げるのが遅くなり申し訳ございません。
断端の判断には方向やタイプも考慮されるのですね。
分かり易いご説明ありがとうございます。
また、ホルモン治療については受けない方向で考えたいと思います。
主治医は十分に時間をとって丁寧に説明して下さるのですが、
後々調べる内に不安に駆られ、また次の受診まで期間がある為こちらで先生にご助言を求めさせて頂きました。
お忙しい中お時間とらせてしまい申し訳ございません。
主治医とよく相談します。
暑さ厳しい折、体調にはくれぐれもお気を付け下さい。ありがとうございました。
ご丁寧なお返事ありがとうございます。
4月初旬に富永先生に非浸潤性乳がんを見つけて頂き、現病院を紹介して頂きました。先生の迷いのない告知に早々に現実を受け止めることができ、乳がんに向き合う決心がつきました。
ありがとうございました。
6月中旬に右乳房温存術+センチネルリンパ節生検を受け、7月初旬に病理診断結果の報告と術後治療方針の説明を主治医より受けました。
その結果について先生のお考えをお聞かせ頂けませんでしょうか。
未婚、34歳
大きさ:1.1×0.5×2.0cm
組織型:DCIS(non-comedo type)
組織学的異型度:intermediate grade
切除断端:cutsurface-、約5mm以内+(皮膚側断端)
ホルモン受容体:ER約80%、PgR約90%、ki-67約10%
HercepTest:2+(in situでの評価)
リンパ節転移:-
術後治療は放射線治療25回+追加照射、ホルモン治療は不要。切除断端が5mm以内+であるが露出はしていないので、放射線の追加照射で対応可能。
またノンコメドタイプで悪性度が低いことから、ホルモン治療はQOLを下げてまでやらなくていいと言われました。
以下2点についてご質問させてください。
1、皮膚側断端近接という結果が気になってます。主治医は露出していないし放射線の追加照射するから大丈夫だといい、追加切除の話もありませんでした。しかしネットや本で調べるにつれ、断端陽性や近接は局所再発の確率が高いという記述を目にし不安を感じてます。
先生のコラムで「乳房温存療法で断端陽性の場合には、その癌巣の種類も考慮して後治療を選択すべき」と記載ありました。一般論として断端陽性(近接)で追加切除を不要とする要因は何が考えられるのでしょうか。
2、ホルモン治療不要について
先生の病院で告知を受けた際、DCISの場合でも温存手術+放射線にプラスして、若年性である為ホルモン治療を勧めるとのお話しを受けました。
今、ホルモン治療不要という予想外の治療方針に戸惑いを感じてます。
ホルモン治療を受けた場合と受けない場合での局所再発の確率はどの程度差があるのでしょうか。QOLを重視して受けないという選択が可能な程度なのでしょうか。
他県の乳腺外科で良性腫瘍及び経過観察の診断を受けた後、HPを拝見して直感で診察を求めた先生に非浸潤がんを見つけて頂きました。
非浸潤がんの確定診断で本当に嬉しいです。
この幸運を生かしたい、術後の治療方針も後悔のない選択をしたいと思っています。
主治医に納得するまで説明を求めようと考えておりますが、先生のご意見をお聞かせ頂ければ幸いです。
お忙しいところ恐縮ですが、宜しくお願い致します。