乳がん検診
ご投稿ありがとうございます。
コラムにも掲載しましたが、これは皆様にご参考になる例だと思います。
毎年乳がん検診でマンモグラフィとエコー検査をしていたのに、何故2cm以上の乳がんでかつ腋窩リンパ節転移があるような乳癌が発見できなかったのでしょうか?考えられることは2つです。
1.中間期乳癌と言い、非常に稀な急激に発生する乳がん。
2.精度の低い画像診断の施設での乳がん検診で毎年乳がんを見逃されていた。
このどちらかになります。
中間期乳癌も否定はできません。しかし、この話の内容からすると乳頭直下かその近くにできた乳がんとなり、北斗さんは筋肉質な方なので見逃しやすい場所になります。また、『乳癌は自分で触ってシコリも確認でき自分の目で直視出来る癌と言われますが。乳頭の真下近くに出来た癌だったので、疑いを持って直視しても乳頭の近くだったからだと思いますが指に触れて分かるシコリは自分では感じず、胸の異変を感じた時には、 初めは違う乳腺の病気を疑いました。』と言う記載からは明らかなしこりを認めないのが明白となります。つまり、これはマンモグラフィでも、エコーでも鮮明に描出でき難い画像かと想像できます。マンモグラフィでは簡単には描出できないと考えます。また精度の低いエコーではまず描出されません。精密検査などに使用する当院のような高精度のエコー機器なら描出できますが、それも経験がある者が見ないと見逃しやすくなる可能性も否定できません。残念ながら中間期乳癌なら明らかに自分で触って解るような塊を触れるような乳癌が殆どだと考えますので、この乳癌は見落としではないかと推測します。乳がんなのに痛みを生じているのは、かなり長く存在して進行していることと乳頭直下は神経も集中しているので、それを腫瘍が刺激して痛みを生じているのだと思います。これからも最近できたとは思えません。長年放置されたと想像できます。
検診を年に1回マンモグラフィとエコー受ければ安心と考えておられた例です。検診は施設で精度が全く違うと言う事を知らないとこのようになります。実際、僕も健診センターのエコー診断を依頼され、送られてくる画像を診断してますが、正直画質が悪くて何も描出されてません。何かあっても異常なしにするしかありません。僕が診断してる時に当院の看護師さんがその画像見て、呆れてます。
尚、北斗晶さんのようなケースは稀ではありません。いつも見かけます。他の施設で精密検査とされ来院される方に聞くと、精度を考えて検診の施設選びされている方は殆ど居られません。その時点でアウトです。このようなケースを見るとこんな検診なら受けない方が乳がん告知を素直に受け入れられたんじゃないかなと思います。
やはり見逃された確率が高いのですね。北斗晶さんのブログを読んでいてものすごく違和感を感じたので先生のご意見をお聞きしたいと思いました。私は九州の方に住んでいますが、やはり乳腺外科で検診を受けてもそんなに精度は良くないのでしょうか?
ご丁寧なお返事ありがとうございます。
乳腺外科だから、専門医だからなど全く判断基準になりません。精度の高い検査機器と鋭い診断能力を持つ医師が揃って診断は確実なものとなります。その基準を測るものは精密検査となった人数が少なく、その精密検査となった方の内、本当に乳癌であった人の割合が最も高かった施設が一番優秀なのです。数内当たるの考えの施設はもっとも能力が低いのです。何か所見があればそれは発見のチャンスなどと言う考えは最悪です。診断にはバイブルもなければ、エビデンスも通用しません。技の世界と言えます。また、鋭い診断の目を持つ先生が高齢化してます。将来が不安です。検診率が上がらないのは検診精度が低いので、多くの方に信用されないからだと思います。
先程、明日テレビでインタビューを受けるベルーガクリニックの知識のある先生がコラムに記載した真実はテレビでは言えないよねと言ってました。
う~ん。なかなか難しい。。精密検査が少なく乳がんと診断された人数が多い施設ですか。。九州ではそれはどこでしょうか?と本来ならお聞きしたいですが(苦笑い)テレビでも取り上げるべきだと思いますが。人間ドックで乳がん検診を受けていれば大丈夫だと思う人の割合も減るでしょう。命が助かる人も増えるかもしれませんよ。言うのは簡単ですが
ご丁寧なお返事ありがとうございます。
横からの質問で失礼致します。
医師の技量や検査機器の精度による見逃しが発生しやすいのは、
乳癌に特異的なことなのでしょうか。
もし他の癌でも見逃しが珍しいことではないとしたら、
先生は他院での見逃しの患者さんを診察されていて、
ご自身の癌検診(乳癌ではなく他の癌の)で見逃されていないかと心配になったりされないでしょうか。
私は毎年先生に検査をしていただいているので、
今回の北斗さんのニュースを見ても、乳癌については自分自身に見逃しがある可能性はかぎりなく低いと安心していられます。
万が一先生が見逃されたのなら他にどうしようもなかったとあきらめるしかないと思っていますし。
乳癌検診については、自分自身が信頼できる先生を見つけられたことはとてもラッキーでしたが、
他の部位の癌検診については、どうやって探していいもんか、なかなか難しいです。
ご投稿ありがとうございます。
限りなく慎重に検査を行う医師に自分はお願いしてます。それで見逃しなら仕方ないです。尚、乳癌検診と違い他の癌は見逃しにくいです。
北斗晶さんの乳がんを聞いてものすごくびっくりしています。一年に一度検診に行っていたとのこと。。私もなるべく早期に発見するべく検診にコツコツ行っているのに、結局自分で2センチの乳がんを見つけることになるなんて、記事を見てすごくショックを受けました。こんなこともあるのですね。先生のご意見をお聞かせください!