嚢胞内腫瘍の診断について
ご投稿ありがとうございます。
①のう胞内腫瘍自体が本当に存在してない可能性もあります。例えば、乳管内乳頭腫症などは腫瘍は存在しません。尚、上皮細胞が採取されていて異形細胞がないと記載されている以上は悪性はないと言う事なので、腺葉区域切除は不要です。3ミリの病変を針生検で取ら得ているので、腕は確かだと思います。
②提出生検は悪性の場合は、センチネルリンパ節生検ができないのではなく、センチネルリンパ節が不確かな結果になり役立たなくなります。また、良性の場合は傷ができたり、その傷が長期に痛むなど色々副作用はあります。今は昔うと違い、エコー機器が進歩していて、ある程度のものはエコーで見えるので、針を使う検査で殆ど診断できます。エコーで見えないようなものは、例え悪性でも定期的な経過観察で明らかな所見が出た時に再度針を使った検査を施行すれば、それで十分早期で発見できます。過剰に微小なものを診断することには、治療法の程度や生存率アップにはつながらない為に、患者様に利益はありません。過度に腺葉区切除などをするのは時代遅れです。精度の高いエコー診断が出来、精度の高いエコー機器があれば気にする必要はないのです。血性分泌=乳管造影、乳管内視鏡、外科生検(腺葉区域切除)と言う考えは、エコーがこれだけ進歩した時代なのでエコー診断に問題があるからそういう方針が出るのです。また、エコーで見えない癌は悪性度の低い非浸潤癌が殆どなので、今後成長する可能性が低く患者様の不利益になるので過度に探す事はしないと言うのが世界の流れです。また乳管造影の最大の問題は、気泡混入や造影剤の間質への漏出など,アーチファクトで正確な診断ができないなど、色々な問題があります。
③経過観察はその部位だけではなく、乳腺全体を診るので、それで十分かと思います。経過観察している間は、広がって発見されると言う事はありません。指定された時期を守って受診をしていれば問題は何もありません。貴女の主治医は貴女の事を一番よく考えてくれている先生だと思います。
お忙しいなか、早速の丁寧なお返事、ありがとうございます。
「過剰な診断や検査は患者さんの利益にならないから」というのは、主治医も言っていたことであり、先生に解説していただいたことと重なります。
とても安心いたしました。ありがとうございます。
今後のことで、もうひとつだけ、確認したいことがあります。
経過観察中に、画像でわかる変化があれば針をさして調べればよいということですが、私のような「嚢胞」の病変も針生検(バネ式)をさして
問題はないでしょうか?
ネットでは「嚢胞に針をさすと悪性の場合は散らばるリスク」が書いてあり、前回もその場ですぐに針生検になったため確認しておきたいと
思いました。
たびたび申し訳ありません。
ご丁寧なお返事ありがとうございます。
針生検で行けるならば、それが一番侵襲がなくて良いと思います。針生検で採取不可能なら、エコーガイド下マンモトーム生検になります。別にその程度の散らばりは問題ありません。散らばった癌は栄養血管がないので死滅するので問題ありません。
お忙しいなか早速のご回答、ありがとうございます。
2回にわたって解説していただいて、針生検の診断について、とてもよく理解できました。
ネットでは多くの情報がありますので、取捨選択が必要ですね。
先生の論旨明快なご説明は、私にもわかりやすく、モヤモヤがはれて頭も心もすっきりしました。
主治医を信頼して、きちんと経過観察を続けたいと思います。
本当にありがとうございました。
ご丁寧なお返事ありがとうございます。
ネットなどの情報は不安を煽りますので、差し引いて見てください。
お世話になります。
以前、「血性分泌について」相談をさせていただきました。
その後の診断について、再度、ご意見お聞かせいただけますでしょうか。
血性分泌ありでエコー、マンモではわからなかったため3カ月の経過観察 → エコーで3ミリの影 → その場で針生検(バネ式)
となりました。
後日、針生検の結果は「上皮細胞が認められるが異型なし」というレポート内容と「癌細胞は出ませんでした。但し、今後も半年ごとの経過観察はしていきましょう」という説明でした。
「診断名がないけれど、鑑別不能ということですか?」と聞いたところ、「異型なしと結果が出たので癌化の兆候なし、という結果がちゃんと出ました」とのこと。「摘出して生検した方がいいのでは?」と質問したところ、「この結果からは、しなくていいと思う」との見解でした。
お伺いしたいのは、
①「嚢胞内腫瘍」は良・悪性の診断がつきずらいと後で知りましたが、診断名がついていないということは確定診断にならないのでしょうか?
②摘出生検はすすめられませんでしたが、するべきですか?また、摘出することでのデメリットやリスクは何かあるのでしょうか?
(センチネンタルリンパ生検ができなくなると聞いたことがありますが)
③経過観察した場合、針生検後の嚢胞の大きさの変化を見ていれば、癌をチェックすることが可能なのでしょうか?
もともとは見えないほど小さな病変だったのに、経過観察後に広がった状態で発見されてしまったら……と不安があります。
お忙しいところ、大変恐縮ですが、ご意見伺えるとたすかります。
よろしくお願いいたします。