ホルモン感受性乳がんの治療薬について
ご投稿ありがとうございます。
ホルモン陽性の乳癌は、エストロゲンのために増えるタイプの乳がんに対して、エストロゲンの作用をブロックすることで、効果を発揮します。ある乳がんが女性ホルモン(エストロゲン)と関係があるか関係がないかは、乳がんの組織を調べれば、見分けることができます。免疫染色という特殊な方法を使って、ER(エストロゲン受容体)とPR(プロゲステロン受容体)が乳がん組織にあるかどうかを調べます。この検査でどちらか一方でも認める場合には、エストロゲンに対する感受性のある乳がんとして診断できます。そこが意味ある事です。
富永先生、早速のご回答ありがとうございます。
そうすると、プロゲステロン感受性陽性ということは間接的にエストロゲン陽性も陽性である、ということになるのでしょうか。
なぜこのような質問をしたのかと言いますと、私の乳がんが「ER
90%,PgR100%」という数値です。プロゲステロンに直接働きかける薬があるならば、もっと良いのでは?と考えたからです。
たとえば、プロゲステロンのみ陽性でエストロゲンが陰性の場合もエストロゲンに対する薬が使われるのでしょうか。それとも、双方が関連しているものなら、エストロゲン陰性・プロゲステロン陽性はありえないのでしょうか。
よろしくお願いします。
ご丁寧なお返事ありがとうございます。
ホルモンそのものとー受容体を混同されているかもしれません。値とはホルモンの血中濃度と思われますが、それは閉経の有無を判断するときに測定します。一方、ホルモン受容体(エストロゲン受容体、プロゲステロン受容体)は腫瘍での発現を免疫染色という特異性の高い抗体を用いた検査方法で調べています。エストロゲンレセプターとプロゲステロンレセプターを測定します。プロゲステロンレセプターはエストロゲンから作られ、エストロゲンレセプターがよく機能していることを表しています。したがって、エストロゲンレセプターのみならずプロゲステロンレセプターがよく発現しているほうが内分泌療法(ホルモン治療)がよく効きます。エストロゲン陰性・プロゲステロン陽性はありません。
貴女が質問されている内容はホルモン療法の基本事項です。もし乳癌患者で治療をされている方ならば、主治医からこれは教えてもらってないといけない内容です。貴女が理解できるまで、聞きましょう。そうしないと治療の基本を知らないで治療していることになります。
富永先生、お世話になっております。
お礼のお返事が遅れてしまい、申し訳ございません。
数値については私自身が「ホルモンレセプター」と「血中濃度」を混同しておりました。先に私が提示した数字は「レセプター」についてです。
現在術前化学療法中で、術後に始まるホルモン療法についてはおおまかな話だけでまだ詳細を聞いておらず、今後なされる医師からの(ホルモン療法についての)説明を理解しようと自分で下調べをしていたところ疑問につきあたりました。
富永先生のご回答でこの疑問は解決いたしました。
お礼申し上げます。
ありがとうございました。
ご丁寧なお返事ありがとうございます。
富永先生、いつもお世話になっております。
一般的な質問です。
ホルモン感受性の乳がんでは、エストロゲンとプロゲステロンの値が測定されますが、いろいろ調べてみたところ、術後治療に使う薬にはエストロゲンに直接働きかける薬ばかりで、プロゲステロンに直接働きかける薬は無いように思えました(調べ方が悪くて見つからないのでしょうか?)。それならばどうしてホルモン感受性乳がんではプロゲステロンの値も測定されるのでしょうか?。
よろしくお願いします。